世界の贅沢、NILEの贅沢

美しい時間が流れる至福の宿
頬杖の刻

Text Ichiko Minatoya

多忙な現代女性にとって、何もしない時間ほど贅沢なものはないだろう。
「頬杖の刻」に流れるのは、まさに何もせずぼんやりと安らぐ時間。
やることといえば“心地良くなること”、ただそれだけでいい。

　全室オーシャンビュー、全室温泉露天風呂付きスイート、地元の新鮮な食材を使ったおいしい食事、オーガニックのアメニティー、部屋で受けられる多彩なエステメニュー…癒やしを求める女性の望みが全てかなう宿。
「頬杖の刻（とき）」という一風変わった名前には、常に忙しく考え、動き続ける現代女性たちが、何かをするためではなく、ただひたすら、ちょっとお行儀の悪い“頬杖"を突くくらい、人目を気にせずゆっくりぼんやりできる、そんな宿にしたいという思いが込められている。
　場所は直木賞作家・笹倉明によって、自身の作品と同じ名を付けられた「旅人岬」の東側。夕日が美しいことで知られる土肥（とい）の海岸線の中でも、一二を争う景勝地だ。その有名な夕日をテラスから眺めれば、誰もがあまりの美しさに思わず言葉を無くすだろう。非日常的な美の体験は、日常の喧噪（けんそう）を忘れさせてくれる。日頃の疲れを癒やしてくれるのは、9種類のメニューから選べる、女性のためのエステ。フェイシャル、カッピング、ストレッチ整体、美容鍼灸（しんきゅう）など、多彩なメニューがあり、女性は45分間無料でこのサービスを受けることができる。また部屋に用意されているアメニティーは、オーガニックブランド「ミレニアムマザー」のウオッシュ＆ケア。各部屋にアロマディフューザーを設置して、オリジナルのアロマミストでもてなしてくれる。いつでも入れたてコーヒーが楽しめるネスプレッソが部屋にあるのもうれしい。
　エステで癒やされた後、部屋付きの露天風呂にゆったりと浸つ かれば、身も心も夢心地に。次は美しい景色を望むダイニングでの夕食だ。海で取れる新鮮な魚介を中心に、伊豆の自然が育てた野菜などをふんだんに使った、目にもおいしい料理が用意されている。もう少し飲みたい気分なら、シーサイドバーでカクテルを。潮騒のBGMが、心を優しく解きほぐしてくれるはずだ。
　まさに女性にとって「こうだったらうれしい」という理想が、全てかなう宿と言ってもいいだろう。「誰にも教えたくないけど、誰かに自慢したい宿」として、女性たちの手帳に「頬杖の刻」という名前が書き込まれるに違いない。


●頬杖の刻
静岡県伊豆市小土肥309
TEL：0558-97-3001
http://hoozue.jp