
あらや 滔々庵
Text.Takako Kosakai



主人の感性が光る加賀の老舗宿
18代目となる若き館主の感性を取り入れた山代温泉の老舗。伝統と新しい感性が溶けあう、洗練された佇まいが印象的だ。かつては北大路魯山人も逗留し、宿に衝立、器なども残されている。純和の主室から続く寝室には、やわらかなリネンに包まれたローベッドが配され、半露天風呂の露地テラスには、フィリップ・スタルクなど名デザイナーによる美しいアームチェアが置かれる。大浴場と露天風呂は源泉掛け流しで、地下わずか数十mからこんこんと湧き出る湯を享受できる。湯を出たあとに待つのは、よく冷えたシャンパンだ。供される料理は、加賀の地の素材を見事にアレンジした会席尽くし。北陸の蟹が皿を飾る冬季はまた格別である。山庭にある有栖川宮家ゆかりの離れを改装したバー「有栖川山荘」は、ぜひ訪れたい。
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