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上品でコクのある黄金色の出汁の中で具材たちが優雅に泳ぐ。カニすきには、数年前の欧州旅行で開眼した「熱々ではない料理のおいしさの表現」を取り入れている。ベストな火入れを行うため、山田氏がテーブルにつきっきりで料理するので、客は昼夜で4、5組がリミットだ。
日本海のカニは鳥取の誇る名店「かに𠮷」に極まる
「かに𠮷」を訪問して5分と経たない間に3回、強烈なパンチに見舞われた。一発目は「まず、これを食べてみて」と供されたカニ味噌の滑らかにしてコク深い味わい。旨みが舌から脳に向かってじんわり浸透していくようでシビれた。二発目は大皿に盛られた4杯の松葉がにのド迫力。重さ約1.5㎏と横綱級の貫禄、美しい色つや、爛々と輝く“目力"に圧倒される。そして三発目は、無臭に裏打ちされた、獲とれたての清新さ。いわゆる“カニくささ”が全くない。メイン料理に入る前に、もうノックアウトされた心地だ。それでも不思議と、いつの間にか次の展開に期待しつつ、ファイティングポーズをとる自分がいる。
 これは「かに𠮷」の仕掛ける“洗礼”なのか。続いて登場した二つの料理、カニすきと焼きガニがまた、料理法から食べ方、おいしさまで、すべてがカニの概念を覆すものだった。
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