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うまさの決め手は土作り
田中農場
極旨の白ネギを求めて、県東南部の八頭町(やずちょう)・田中農場へ。折しも収穫の真っ最中だった。代表取締役・田中里志氏はズボッとネギを抜き、「太いでしょ」と笑いながら無造作に皮をむく。とたんに真っ白、すべすべの“ネギ肌"があらわになり、息をのむ。その美しさもさることながら、白ネギはうまさでも群を抜く。シャキシャキ感を残しながらも柔らかく、とろりと甘いその味わいは、一度食べたら忘れられないくらい。田中氏はどんなふうに手をかけて育てているのか。
 「決め手は堆肥ですね。地元の万葉牛の肥育農家さんからいただいている牛ふんと、自分たちの育てた稲・もみ殻を使い、1年以上、定期的に攪拌しながら完全発酵させます。この堆肥と、山から溶け出して用水路を流れるミネラル豊富な水が、ネギにとって非常に良い土にしてくれるのです。また、深く掘り返して上層と下層の土を入れ替える『30㎝深耕』を行っています。この耕法が土の持つ潜在能力を最大限引き出してくれます。白ネギだけではなく米もほかの野菜も、肥沃な土のおかげでおいしく育っています」


白ネギは2月下旬に種をまき、1カ月で苗を育てる。3月下旬から半月ごと、4回に分けて畑に植えられ、10月から4月にかけて収穫される。寒くなるほどに甘さを増す。
 田中氏は養豚業を営む家に生まれ育ったが、養豚業を創業した先代が40年前に米を作りたいと一念発起し、稲作農家へ方向転換。その後継者として4年前に経営を受け継いだ。以来、過疎・高齢化で農業を続けられなくなった農家から農地を借り受け、土作りと真摯に向き合ってきた。そして「有機物の循環の中で、手をかけ、愛情を込めて作物を育てる」田中氏は「持続可能な農業」を目指す。
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