PAGE...1|2|3|4|5
スペイン勢とアメリカ勢、ベスト50を牽引
結果に笑顔と喝采を送る客席。
最後に、国や地域別の活躍を見てみよう。今回のベスト50を牽引した国としては、それぞれ6軒のレストランがランクインしたスペイン勢とアメリカ勢と言えるだろう。スペインは、10位以降にもガストロノミー界に君臨してきた「ムガリッツ」の14位、薪焼きで名高いゲタリアの「エルカノ」も昨年の30位から16位へ、マドリッドの「ディヴェルソ」は20位にニューエントリーと注目だ。アメリカではニューヨークの「コスメ」が22位、サンフランシスコ「ベニュー」が28位、ニューエントリーの「シングルスレッド」37位、ニューヨークの「アトミックス」43位もニューエントリー。44位に大御所の「ベルナルダン」、そしてなんといっても、47位にアイコンアワードを受賞した女性シェフ・クレンの「アトリエ クレン」がランクインするなど、話題も多い。

 中南米勢は前述の通り、10位以内に3店が輝いているが、そのほかに13位にアルゼンチンの「ドン・フリオ」、17位にサンパウロの「ア カッサ ド ポルコ」、38位にチリ・サンチャゴ「ボラゴ」、46位にコロンビア・ボゴタ「レオ」、の計7軒が入賞。その勢いを感じずにはいられない。フランスは計3軒だが、いずれも、アンラン・パッサール「アルページュ」、ヤニック・アレノ「アレノ・パリ・オ・パヴィヨン・ルドワイヤン」、「セプティーム」と、大御所や常連の店であり、ベスト50的には新しい動きはあまりなかった。逆に、健闘を見せたのはイタリアで、リベリアの「リド84」は、いきなりの15位ランクインで「ハイエストニューエントリー」賞を獲得。18位のアルバの「ピアッツァ・ドゥオーモ」は常連で、納得の高位置。パドヴァ郊外の実力派の「ル・カランドレ」は26位に、アブルッツォの「レアーレ」は29位に再エントリーするなど、イタリア勢から今後も目が離せない。アジアは日本3店舗に加えて、10位香港の「チェアマン」、34位シンガポールの「バーントエンズ」、35位上海の「ウルトラバイオレット」、40位タイ「ズーリン」と計6店舗。日本はもちろんながら、アジア全般、南米に比べて、ヨーロッパ、アメリカの評議員からは距離が遠いことが、弱みになっていると言わざるを得ないだろう。

 コロナ後の世界、自由に世界を移動できる時代に戻り、アジアの料理がより評価される日がくることを願ってやまなない。そして、世界26か国から選出されたシェフたちは、今後もますますその影響力を強め、ガストロノミー界を盛り上げていってくれるであろう。

ベスト50を牽引したアメリカ勢。
PAGE...1|2|3|4|5
LINK
GOURMET
日本初の“注目のレストラン賞”に フロリレージュが輝く
>>2016.2.29 update
GOURMET
金の皿、銀の皿 新世紀を作る料理人たち Vol.2 Restaurant Kei 小林 圭
>>2014.7.18 update
STYLE
コンラッド東京総料理長×山田チカラが創作する驚愕のモラキュラー
>>2012.5.31 update
GOURMET
並木通りのフレンチ
>>2014.8.21 update
GOURMET
名料理人への登竜門
>>2021.11.1 update

記事カテゴリー