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新生「ノーマ」が1位を獲得。
果たして結果は、デンマーク・コペンハーゲンの、新生「ノーマ」が1位に輝いた。新生という意味は、実はノーマは移転前に4回1位を獲得している。その後、スタッフ全員で東京を含め、世界3都市でポップアップレストランを行ったことは記憶に新しいのではないだろうか。その後移転し、新生ノーマとして復活した。その間に、ベスト50の規約で、1位になったレストランは殿堂入りし、ランキングからは外れるというルールができたのだが、新生であればランクインできるという理由で、ノーマは2019年に再び2位にランクイン。1位だったフランス・ニースの「ミラズール」が殿堂入りしたため、今回の、2位からスライドしての1位は、大方の予想通りであったとも言える。しかし、舞台上でクリスタルトロフィーを振り上げる、レネ・レゼッピ、ハグし合うスタッフたち、その光景はやはり感動的であった。希少な素材の見極めとその組み合わせの妙やテクニックが、現代のガストロノミー界に与えた影響ははかりしれないほど大きいと、その1位を称える声は大きい。

1位に輝いた新生「ノーマ」。
 2位は同じくデンマーク・コペンハーゲンの「ジェラニウム」。前回の5位からの上昇であるから、その喜びもひとしおであろう。同じくイノベーティブでも、季節にフォーカスした食材の独得の使い方が高く評価されている。そして3位が、スペイン・ビルバオ郊外の「アサドール・エチェバリ」。このベスト3の受賞は、現在のガストロノミー界における北欧勢とスペイン勢の強さを象徴しているともいえる。エチェバリのビット―ル・アルギンソシェフは料理界に多大な影響を与えたということで、シェフたちの投票によるベストシェフを選ぶ、「シェフズチョイス」賞も受賞した。薪火のみで調理をするという、独自の技法の影響の大きさは、日本の料理界を見ても、容易に想像がつく。

 4位は安定的に上位をキープするペルー・リマの「セントラル」。ビルヒリオ・マルティネスは、標高3000mから海中までの豊富な食材を駆使する食の魔術師だ。5位がエルブリのレガシーを引き継ぐ、バルセロナの「ディスフルタール」。前回の9位から確実に順位を上げている。6位がストックホルム「フランツェン」。自然と融合した料理は以前から高い評価を得ていたが、21位からのジャンプアップには、フーディーの自然を希求する心が表われているのかもしれない。7位がペルー・リマの日系料理「マイド」。味噌、醤油と懐かしい味をイノベーティブに仕上げた料理が世界を魅了し続けている。8位がアジアのナンバーワンに輝いた、シンガポールの端正なフランス料理「オデット」。9位がメキシコシティの「プジョル」。このように、9位までに3軒の南米大陸のレストランがランクインするとは、南米が世界のガストロノミーに与える影響の大きさがうかがえる。10位には香港の「チェアマン」がランクイン。フュージョンではないコンテンポラリーに仕立てた中国料理が評価され、前回の31位からの躍進でハイエストクライマー賞も受賞した。アジア勢の健闘をたたえたい。

フランス・ニースの「ミラズール」をはじめ、殿堂入りしたシェフの面々。
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