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シェークスピアのほとんどの作品には下敷きとなる小説や詩、伝承などがあったことが明らかにされている。『ロミオとジュリエット』にも、ヴェローナを舞台とする種本があり、当のシェークスピア本人は、この街を訪れたことはなかったという。
 しかし、この地を踏めば、ここがあの悲恋の舞台にふさわしいロケーションだと感じないではいられない。中世の面影をとどめる一方、古代ローマ時代からの遺構も点在する旧市街は、どこか叙情的だ。ランドマークと言うべき円形劇場アレーナ・ディ・ヴェローナは、紀元1世紀前半の創建とされ、ローマのコロッセオよりも古い。2万席以上の
キャパシティを誇り、現在も、オペラやロックコンサートが開催されている。特に毎年夏場に催される連日の野外オペラは有名で、世界中からファンを集めている。シェークスピアにあやかるなら「真夏の夜の夢」を提供し続けているといったところか。
(左)古い建造物をリノベーションしながら、現在の生活シーンに合わせて利用し続けている。(右)整然とした旧市街も、一本裏路地に足を踏み入れれば、生活感のある姿も見えてくる。
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