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野菜も米も、大切に相対する
宮﨑さん(右)が営む「梅乃井」のために、吉村康義さん(左)が作っている水田の前で。吉村さんの米に替えてから、「お客様から米がとてもおいしい、どこのもの?」と聞かれることが増えたそう。「来年からもう少し、梅乃井用の米を増やしてもらえませんか」とこっそり交渉していた宮﨑さん。
気高町(けたかちょう)で白ネギを生産者する吉村康義さんは、「惣和会」のメンバーであり、鳥取市内で日本料理「Chikuma」の料理人を務める吉村規嗣さんの実父。朝採れの野菜を規嗣さんが店に持ち込み、料理して提供すると「野菜がおいしい」と喜ばれる。それがやりがいになる。「梅乃井」の宮﨑さんも、規嗣さんの紹介で米や野菜を仕入れている。
 畑を訪れた宮﨑さんは「吉村さんの米は、鰻と合わせるとタレがよく染みつつ、箸ですくった時にパラパラと落ちない、理想の米。それで白ネギも仕入れてみたら、これがまたいいのです」と絶賛。吉村さんは「自分が食べたいものを作っているだけです。春ネギも太らせると傷みが早いから、流通には向かない。自家消費や直接店に持ち込む分として作っています」とほほ笑む。 
 市役所に定年まで勤め、米だけを兼業で作ってきた。「作物に大切に相対するということ。その姿勢は米でも野菜でも変わりません」と話す。
白ネギは白い部分が育つよう、根の周りに土を盛り、成長に合わせて何度も土寄せをする。そのタイミングを見極めて土を盛り、雑草が出たら根の周りを動かさないよう、一本ずつハサミで丁寧に切り取っていく。
 「圃場はいつもきれいに保っておきたい」という吉村さんの人柄が表れた美しい畑で、手をかけ、愛情をかけて育てた白ネギは甘く柔らかい。
自分のため、人のためにおいしいものを作りたいという思いが、野菜を生き生きと輝かせている。
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