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(上)ÉLÉMENTS エレメンツ 和牛、レンコンと メインは池端氏による能登牛。ランプ肉をワイナリーの葡萄畑で剪定した枝で炭火焼きにした。付け合わせた野菜は、高農園のロマネスコ(カリフラワーの一種)、芽キャベツ、黒キャベツ、ゴボウ。牛の焼き汁にハイディワイナリーのメルローを煮詰めたものをソースに。
(下)CLAIRS DE LUNE 月の明かり パンナコッタ、イチゴと日本酒 赤木氏がこのイベントのために制作した満月皿に、平田氏がイタリアの伝統的なデザートのパンナコッタを盛って。パンナコッタは、砂糖の代わりに地元に古くからある米と大麦でできたじろあめを使った。七尾の崎山いちごと白藤(はくとう)酒造のにごり酒のジュレを添えて。
料理人、塗師、生産者に共通すること、それは有機的な素材、つまり自然との深いつながりです。大地はもちろんのこと、植物の成長にも、潮の干満にも、月の満ち欠けが関係していますよね。そのためイベントのタイトルを自然に関する“大地と月のあいだ"としました」
 もう一つ、このイベントには大きな目的があった。それは、塗師、赤木氏の漆器でフランス料理を提供するということ。近年の漆器産業の低迷を危惧している赤木氏は、「これから日本中、そして世界中の洋食レストランで漆器が使われるようになれば、かつてのような大きな需要を生み出せる」と考えている。さらに輪島塗とともに、能登を食の町として世界に発信していきたい。そのきっかけになればという思いもあった。
 まずはリオネルがコースに添って漆器を選び、次に“物語"を考え、これらを池端氏と平田氏に伝えた。最後に料理人がメニューを考案するという珍しい流れだ。
(上)PAYSAGES INTIMES 親密な風景 米、七面鳥と海藻 門前町でコシヒカリを食べて育った七面鳥のムネ肉とモモ肉を使った平田氏の料理。下にはハマグリの出汁で炊いた海苔の焼きリゾットが隠れている。輪島紙衣汁椀(かみこしるわん)で。七面鳥の旨みが利いた米のリゾットには、純米吟醸「竹葉(ちくは)」(数馬酒造)を合わせた。
(下)ENTRE DEUX MONDES ふたつの世界のあいだ 大根、イカと柑橘類 能登鉢6寸の温かい前菜は池端氏によるもの。地元の大根をハマグリの出汁でゆっくりと火を通し、スプーンで切れるくらい柔らかく煮た。その下には宇出津(うしつ)港に揚がったイカのソテー。ワインはリオネルの出身地であるフランス・コルシカ島のロゼを合わせた。
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