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大江ノ郷自然牧場の鶏舎。この鶏たちが産む「天美卵(てんびらん)」には、ドコサヘキサエン酸やエイコサペンタエン酸、α-リノレン酸など魚の油に多く含まれる成分が確認されている。とろりと濃厚な黄身と、ぷるんとした弾力のある白身の卵は“生”で味わいたい。
平飼いにこだわった“天美卵”
八頭町の大江(おおえ)という地に、大江ノ郷(さと)自然牧場はある。ここは、「健康な鶏を育て、安心して食べられる卵づくりを目指す」という信念のもと、小原利一郎(おはらりいちろう)さんがたった一人で一棟の鶏舎を建て、〝平飼い〞の養鶏を始めた場所だ。それが1994年のことである。小原さんが〝平飼い〞にこだわったのは、鶏が卵を産む機械になっている大規模養鶏への失望からだという。小原さんがいう〝平飼い〞とは、屋根のある運動場のような広い開放型の鶏舎内を自由に走り回り、ふんだんに日光を浴びて、砂遊びをしながら鶏が暮らすこと。加えて、自然素材の原料だけを使った飼料を与えている。
 「平飼いで育った鶏たちは、元気な卵を産むために必要とされる丈夫な筋肉があり、病気の発生を前提とした抗生物質入りの飼料など必要としない健康な体になっています。ですから、抗生物質や薬品は必要ありません。飼料は栄養のことだけを考え、トウモロコシ(遺伝子組み換えなし)、新鮮な魚粉、海藻、カキ殻などを自家配合して与えます。また、酵母で発酵させたおからや米ぬかを混ぜることも始めました。この山麓(さんろく)から湧き出る清水を飲み、深い緑がつくりだす澄み切った空気を吸い、独自の飼料を食べた鶏が産んだ卵、『天美卵(てんびらん)』は〝自然そのもの〞。安心して食べられる卵だといえるわけです」
 小原さんから産みたての卵を手渡されたシェニョンさんは、「健康な鶏から生まれた美しい卵を早く味わってみたい」と興味津々だった。
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