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祖父の代から100年以上、この地で柿農家を営む岡崎昭都さん。今後、加工品を作るほか、東京などで独自の販売ルートを開拓して、積極的に100年ものの花御所柿を販売していきたいと考えている。
この地の特産である花御所柿は、天明年間(1781~89年)に八頭郡八頭町花(はな)の農民である野田五郎助(のだごろうすけ)が大和の国(現・奈良県)から御所柿の穂木を持ち帰って、庭先の渋柿に接ぎ木したのが原木と伝わる。当時は、「五郎助柿」と呼ばれていた。因幡(いなば)地方でのみ作られているが、その9割が旧・郡家町内での栽培という珍しい柿である。その中でも良質のものがとれるのは、発祥地である旧・大御門(おおみかど)村の花や大門(だいもん)、西御門(にしみかど)、殿(との)、市谷(いちのたに)などごく限られた土地だという。
 霜が降りる11月に入ると葉が落ち始め、実が甘くなる花御所柿は、11月下旬に収穫期を迎える晩生の甘柿で、糖度が20度以上にもなる。食すと、とろりとした舌触りと甘い果汁があふれみずみずしい。どんどん食べられるジューシーな柿である。
 岡崎さんは就農して2年目までに、600本全ての木の皮をむいた。枝や幹の表面に余分な皮がついていると、病害虫のすみかとなり、被害にあいやすいからだという。老木になればなるほど背が高くなって、どんな作業も時間がかかって大変だ。それでも手間暇を惜しまず、柿づくりにいそしむ。
 「柿農家はもてないですよー。若い人はもうかる梨にいってしまいます! でも僕は、鳥取=梨ではなくて、鳥取=柿にしたい」と意気込む。実にたのもしい4代目だ。
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