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西京区御陵大枝山町にある国際日本文化研究センターは、日本文化に関する国際的・学術的・学際的な総合研究、ならびに世界の日本研究者に対する研究協力・支援を目的として、1987年に文部省大学共同利用機関として設置された。円形の図書館には、日本研究に必要な文献や資料などが多数所蔵されている。
京都ぎらいの昭和
 京都の中心・洛中(らくちゅう)の、西郊にある嵯峨(さが)で幼少期を過ごし、現在は宇治市に暮らす。自身も京都出身でありながら、京都であること、そしてその京都の中心であることに誇りを持つ洛中の住人たちから「洛中以外は京都やない」、と見下されてきた経験から『京都ぎらい』を執筆した国際日本文化研究センター教授の井上章一さんに、京都の昭和について聞いた。
「大学の話を聞きたい、ということでお答えできるかとお引き受けしたのですが、昭和ですか……」と、「京都を昭和という言葉では簡単にくくれないな」という感じで語り始めた。
「京都には古いものを残す力がある、というより、いやおうなしに残してしまう地盤があるかもしれません。ただ、それもイタリアのフィレンツェやベネチアと比べればたいしたことはない。フィレンツェの市役所なんかは、鎌倉時代の建物ですよね。京都は1000年の都や、と偉そうに言いますが、世界的に見れば凡庸な現代都市だと思います」
 学生時代に建築を学んだことから、イタリアの都市が歴史ある建築を大切に保存し、調和のある美しい街並みを保つところにほれ込んだ。
「ローマは第2次世界大戦で初めて連合軍の空襲を受けた時、その翌日には降伏を決めたんです。ローマを燃やすわけにはいかない、という思いがあったのでしょうね。わが民族は、初めての空襲から3年半持ちこたえていますが、私はそれを雄々しいと思えない。むしろ、街を守るために早くから降伏を決めたローマやパリにあこがれを持ちました」
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