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これは味覚の“偏差値"というよりむしろ、味覚の“国民性"の違いだろうと考える。
 あるいは緯度によって、苦みを賞味する地域の分布帯があるのかもしれない。
 そういえば、台湾を始めとする、東南アジアのビールはどれも苦くなく、むしろ甘かった。タイやインドネシアに行くと、甘みの強い料理が多いことも含めて考えると、やはり緯度によって苦味甘味を好むといった分布帯があるのかもしれない。
 鯛は日本料理の花形であり、鯛のお造りの美味は、料理屋の看板ともなるのだが、外国人のお客様には鯛が“最高の魚"であるという意識はなく、鮪のトロやウニのほうが喜ばれることが多い。
 外国人のお客様の特徴というか、日本人でも同じことは言えるのだろうが、自国で高価な食材を他国の料理屋で出してもらえると、うれしいという思いはあるだろう。
 自己の味覚で料理の価値を測るのではなく、食材の原価でのコストパフォーマンスを頭で考え、料理に価値を見いだす感覚は、誰しもあることである。
真鯛と鳴門若布の乱盛り
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