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虎白の小泉功二さん。『ミシュランガイド東京 2016』では三つ星を獲得し、今最も注目される日本料理の料理人だ。その小泉さんが「尾崎牛のブロック肉を使ってみたい。尾崎牛の上質でミルキーな脂は、日本料理、特に出汁に合うんです」と尾崎牛にほれ込んだ様子。
もう一品は、サーロインの霜降りステーキを、炭火であぶって肉の香りを立たせた。
「本当に尾崎牛の脂は良質だから、焼き切るより、あぶる程度のレアがいいですね。そうすることで、特徴的な脂の甘みをしっかり残して、よく味わえる料理にしました。脂の強い旨みに負けない、粉山椒(さんしょう)とすだちを入れたすっきりとした出汁で食べる。重たいたれになると負けちゃうと思ったので、脂に合う山椒とさわやかな柑橘(かんきつ)系を合わせようと、すぐに思いつきました」
 尾崎牛の持つ脂の強い甘みを、山椒の辛みやすだちの酸味が、絶妙なバランスで全体に調和させている。
 「やはり、ブロック肉を使ってみたいですね。本当にきれいな脂なので、日本料理に、特に出汁に合わせやすい。今、牛肉では〝赤身〞が持つ肉本来の味わいが注目されています。ただこれだけサシが入っていても、尾崎牛なら、毎日食べても飽きないでしょうね。上質なミルクみたいな柔らかな脂の甘さなら、寝かさずにすぐに食べたほうがおいしいと思います。それに、これだけ出汁に合う尾崎牛の用途は、すごく広いと感じました。コースの流れに違和感なく溶け込める料理が作れそうです」
 日本料理にしっくりくる牛肉。その味わいは、やさしく上質で洗練されている。まさに、世界から評価を得ている出汁と同じである。虎白×尾崎牛。さらなる旨みの世界が広がるに違いない。
霜降りのサーロインステーキを炭火であぶり、サイコロ状に切って、あさつきやみょうがとともに出汁であえる。出汁は辛みの強い粉山椒とすだちを搾ったもの。尾崎牛の上質な脂と山椒は特によく合う。いつまでも柔らかくて、かなりサシが入ったサーロインなのに食べ続けられる。さっぱりとした逸品だ。
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