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森さんが接ぎ木してつくったライチの苗。ライチの葉は新芽が赤い。11月に休眠をさせ、1月からハウス内の温度を上げて花を咲かせる。その後ミツバチを放って受粉。実は5月末から7月いっぱい収穫する。
去年は森さんの畑だけで、3トンのライチが収穫できた。しかし、こうなるまでには苦労が絶えなかったという。まず、寒さに弱い。露地では袋をかぶせて防寒しても、霜が降りれば一発でダメになる。そこで、タイなどでは4メートルを超す大木になるライチをビニールハウスに地植えして、剪定(せんてい)しながら育てることにした。しかし、ライチは湿度にも弱く、3日以上雨が続くと実が割れてしまう。数年かかってようやく1年おきに実がなるようになり、ここ4年は毎年、収穫ができるようになった。栽培を始めた当初から考えれば、今のように毎年、花がつくことだけでも「奇跡だ」と笑う。
 夢は、手塩にかけて育ててきたライチを、宮崎県の特産品として根付かせることだ。そのために、失敗を重ねながら私財をつぎ込んでライチ栽培を研究し、興味を持った農家には、全てオープンにして栽培方法を教えている。
「ライチの欠点は、時間がかかりすぎること。1年目から実はつくのですが、木が太くなって、量がとれるようになり、利益が出るまでに5年以上かかります。それまでは、温度を上げるための経費のほうがかかるから、採算が合わないんですよね。だから、研修生制度を設けたりして、少しずつ生産者が増えてきています。僕のところから始めたので、今でもライチ農家はこの新富町(しんとみちょう)に一番多いんです。量さえできるようになれば、ライチは必ず成功します。これから、ここの大地を、ライチの産地にしていけたらうれしいですね」
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