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一年の幸を祈願する ―― 銀鏡神楽
神楽とは、神々に奉納する歌舞である。宮崎では各地で神楽が伝えられており、特に高千穂の夜神楽や椎葉(しいば)神楽などが有名だ。観光客向けに、ショーのように連夜行っている地域もあるが、毎年1度のみ、12月14日の夕方から15日の朝まで、徹夜で舞い続けられるのが西都市の銀鏡(しろみ)神楽だ。神への奉納としての伝統が色濃く受け継がれ、1977(昭和52)年、宮崎の神楽で最も早く国の重要無形民俗文化財の指定を受けている。
 銀鏡神社の祭神は、コノハナサクヤヒメの姉であるイワナガヒメと、父神のオオヤマツミである。コノハナサクヤヒメとニニギノミコトが結婚したとき、姉のイワナガヒメも同時にニニギノミコトに差し出されたが、イワナガヒメは美人ではなかったため返されてしまった。イワナガヒメはこれを悲しんで、自分の顔を映した鏡を憎み、山へ放り投げてしまう。この鏡が光り輝き、明るく照らした村が銀鏡村と呼ばれるようになり、鏡は銀鏡神社に祀(まつ)られた。銀鏡神楽は、この銀鏡神社の大祭の中で舞われる神楽だ。
高千穂神楽と椎葉神楽が、それぞれ複数の集落の神楽がまとめて国の重要無形民俗文化財に指定されているのに対し、銀鏡神楽は単独で国の指定重要無形民俗文化財となっている。
(左)神々そのものだとされる面は、銀鏡神楽の見どころの一つ。いずれも表情豊かで、見る者を引きつける魅力があり、芸術性が高い。その舞も古くからこの地の人々の中だけで伝承されてきた。
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