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西都原古墳の延長に広がる茶臼原古墳。整備された西都原古墳群に比べると、より周囲の牧場や畑と一体化した風景をなし、積まれた牧草と古墳を見間違えてしまうような面白さがある。
西都原古墳群の西側には、ニニギノミコトの御陵とされる日本最大の帆立貝形古墳、男狭穂塚(おさほづか)と、コノハナサクヤヒメの御陵とされる前方後円墳、女狭穂塚(めさほづか)が寄り添うようにつくられている。また、ニニギノミコトに出会う前、コノハナサクヤヒメを嫁にほしがった悪鬼が、一夜で完成させたといわれる鬼の窟(いわや)は、全国で唯一の周囲に土塁を巡らせた円墳として知られる。
 神話によれば、ある日、ニニギノミコトが西都の小川で美しいコノハナサクヤヒメを見初め、求婚して結ばれるが、一夜が明けるとニニギノミコトは反乱部族の討伐へと旅立ってしまう。のちに戻ったニニギノミコトは、コノハナサクヤヒメが懐妊したことを知らされるが、たった1日で懐妊したとは信じられず、別の男との子ではないかと疑った。これを知ったコノハナサクヤヒメは悲しみ、もしもニニギノミコトの子であれば、たとえ火の中でも無事に生まれてくるはずだと言い、自ら出口のない産屋にこもって火を放つ。その炎の中から生まれたのが海幸彦、山幸彦であり、ニニギノミコトの疑いも晴れたわけだが、コノハナサクヤヒメの心情の激しさには驚かずにはいられない。
 今の西都原古墳群には、そんな激情とはほど遠い、のどかな風景が広がる。だが、そののどかな風景の中にふと、おおらかで強大な力を持った、神々たちの躍動の跡を感じたような気になった。
コノハナサクヤヒメを御祭神とする都萬(つま)神社。コノハナサクヤヒメがお乳の代わりに甘酒を与えて皇子を育てたという伝承から、日本清酒発祥の地の碑も建てられてい
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