PAGE...1

食文化の未来を担う三つ星 Alain Ducasse au Plaza Athenee
Text Yukino Kano


(左)南仏のレモンに昆布とエストラゴンを香らせたデザート。©Pierre Monetta
(右)ヴェルサイユ宮殿敷地に作った自家菜園で作られた野菜の美味しさを一皿に表現した作品。©Pierre Monetta
(右)ヴェルサイユ宮殿敷地に作った自家菜園で作られた野菜の美味しさを一皿に表現した作品。©Pierre Monetta
フランス料理において、肉料理はその主役。古から、例えば古代ローマ人がシリアルや野菜を好んで食したのに対し、フランスの前身であるガリアの人々は肉を好んで食べてきた。フランス料理も肉を中心に発展し、肉こそが食事の花形であった。そんなフランス料理から肉を排除し、野菜、シリアル、そして持続漁業が可能な魚の三つをテーマに掲げたレストランが誕生した。仕掛け人は、フランス料理界の巨匠、アラン・デュカスだ。
パリきってのラグジュアリーホテル「プラザ・アテネ」のメインダイニング「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」。伝統料理を軽やかに演出した料理で三つ星に輝いていた店だが、2013年、ホテル全体のリニューアルに伴い、この店も改装。2014年夏にリニューアルオープンしたが、元の名前のままにコンセプトは一新。野菜、シリアル、魚が、この店の主役となったのだ。
肉を少なめに、油脂や糖分も控えめにしたヘルシーな美食。現代社会が求めているニーズをしっかり汲み取り、デュカスの美食哲学というフィルターを通して表現した料理は、今までのフランス料理界の常識を打ち破るものが多い。アミューズの一つは、カリッと焼いたイワシの骨。最上のキャヴィアはレンズ豆と燻製魚とともに。ヴェルサイユ宮殿敷地内に作った自家菜園から毎日届く野菜を主役にしたヴェジタリアン料理。主菜のあとフロマージュの前に、黒米の炊き込みご飯……。テーブルにはクロスを敷かず、和食器も多用。どこかプリミティフで禅の魅力を湛えつつも、食材力と技術力が融合した艶やかなフランス料理の魅力を披露している。
肉がないフランス料理?野菜とシリアルと魚?オープン当初こそ懐疑的な声も上がったが、その美味しさの前に、一人また一人とファンが増え、2年目となるこの早春、新生「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」は、改めてミシュラン最高峰の評価を獲得した。
●アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ
www.alain-ducasse.com/fr/restaurant/alain-ducasse-au-plaza-athenee
パリきってのラグジュアリーホテル「プラザ・アテネ」のメインダイニング「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」。伝統料理を軽やかに演出した料理で三つ星に輝いていた店だが、2013年、ホテル全体のリニューアルに伴い、この店も改装。2014年夏にリニューアルオープンしたが、元の名前のままにコンセプトは一新。野菜、シリアル、魚が、この店の主役となったのだ。
肉を少なめに、油脂や糖分も控えめにしたヘルシーな美食。現代社会が求めているニーズをしっかり汲み取り、デュカスの美食哲学というフィルターを通して表現した料理は、今までのフランス料理界の常識を打ち破るものが多い。アミューズの一つは、カリッと焼いたイワシの骨。最上のキャヴィアはレンズ豆と燻製魚とともに。ヴェルサイユ宮殿敷地内に作った自家菜園から毎日届く野菜を主役にしたヴェジタリアン料理。主菜のあとフロマージュの前に、黒米の炊き込みご飯……。テーブルにはクロスを敷かず、和食器も多用。どこかプリミティフで禅の魅力を湛えつつも、食材力と技術力が融合した艶やかなフランス料理の魅力を披露している。
肉がないフランス料理?野菜とシリアルと魚?オープン当初こそ懐疑的な声も上がったが、その美味しさの前に、一人また一人とファンが増え、2年目となるこの早春、新生「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」は、改めてミシュラン最高峰の評価を獲得した。
●アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ
www.alain-ducasse.com/fr/restaurant/alain-ducasse-au-plaza-athenee

世界を舞台に活躍するアラン・デュカスと、この店のシェフ、ロマン・メデー。©Pierre Monetta
PAGE...1
LINK