








(左上から)「フレンチのニュアンスを効かせて」と白トリュフをふんだんに使った。/クリュッグ グランド・キュヴェに合わせる前菜は、完熟の柿をくり抜いて使用。/普段は8席のカウンターの前に立つ神田さん。この日は約60人分を調理。/「鮪『海と山と野のインタープレイ』」は大間の鮪すしに白トリュフを。/9年連続ミシュラン三つ星、元麻布 かんだの主人である神田裕行さん。伝統的日本料理に、時折現代的な仕掛けを加える。フランス料理やワインなど、他ジャンルのガストロノミーにも詳しい。/箱の絵は巨大ポテトの皮をむく神田さん。フグ空揚げとポテトフライ入り。/神田さんならでは、白トリュフと米の相性を楽しむ。トロで油脂のコクをプラス。/フグ白子入りの卵焼きのお椀には、白トリュフをかけて提供。/「料理が楽しくなるように、調和を考え抜きました」と普段とちょっと違う料理を。
足し算より効果を発揮する組み合わせ
「日本料理は引き算の料理。けれども、今回ジャッキーとコラボレーションして『足して組み合わせるの、嫌いじゃない』と思いました」と神田さん。通常、料理を考案する際は8~9割は日本料理の本質であるミニマムな世界を追求し、残りで遊びや現代性を取り入れる。が、「今回は楽しさとストイックさは半々。それが、意外と面白かった」と話す。
また、「トリオ」を意識したという。「たとえば、鮪とすし飯と白トリュフの料理。これは、白トリュフと炭水化物は抜群の相性、というのがまずあって、そこに鮪のトロを合わせて脂肪分をプラスしました。1+1+1=3ではなく、5にも7にもなる組み合わせです」。このような、トリュフ+炭水化物+油脂分のように相乗効果を発揮する「黄金のトリオ」を随所で意識したという。「ジャッキーが率いるピアノ、ベース、ドラムも黄金のトリオ。だから、僕もフランス料理のシェフ、パティシエの仲間に声をかけた(笑)。このイベントもシャンパーニュ、ジャズ、日本料理の相乗効果を狙っている。そもそもシャンパーニュが、シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエのトリオですからね。面白いでしょ?」
なお神田さんは、ジャッキーに面白い方法でシャンパーニュに合わせる料理を事前に知らせた。つまり、「深海のプレリュード」などジャズ用語が入った料理名で、作る料理のイメージを伝えたというわけだ。おかげで、当日の息はぴったり。異色のセッションを成功に導いた。
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