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(上)百三十年の歴史を刻む日本庭園に呼応して建てられた百年庭園の宿「翠水」。全3室の客室からは百年庭園の景観美を楽しめる。(左下)700坪の広大な日本庭園で挙げる庭園挙式が人気。(右下)どこからも見渡せる日本庭園とともに、会席料理が堪能できる。




9階建てのホテルは700坪の風情ある日本庭園と3室の旅館「翠水」を有する。日本庭園は、北九州の経済を担った豊国炭鉱の時の鉱主で貴族院議員でもあった、山本貴三郎が1889年に完成したもの。「翠水」はその迎賓館であった。
新たな大日本帝国憲法が発布された年に完成、迎賓館は「松月亭」と命名され、乃木将軍はじめ多くの政財界人が訪れ、庭園を愛でながら日本の運命に関わるような密談を交わしたのではないか。
現在も当時の名職人らが丹精込めて造り上げた、深い庇に土壁、長押や天井に施された繊細な細工等など昔からの佇まいが保たれており、有形文化財として登録されている。75㎡~110㎡の数寄屋造りの客室3室、ここで檜風呂での湯浴みのあと、九州の山海の幸を堪能するもよし。
 宿泊せずに料亭として、宴席の場としても利用できる。地元の婚礼などにも人気で、週末などは太鼓橋を渡る花嫁の姿が艶やかだ。ホテルの開放的なラウンジからは、この池泉回遊式庭園の四季折々の風景が、北九州の光と影を映しながら鑑賞できる。
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