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焼き松茸となすの煮びたし
さて、なすである。
 なすは、一番上の切り口がみずみずしいものを選ぼう。切り口の古さは、中の水分の古さに直結している。そして、買ってきたならばすぐに食べよう。鮪(まぐろ)の刺し身だと思えばいい。ただし、冷蔵庫は厳禁だ。
 元々が南国の生まれゆえ、冷蔵庫に入れると劣化が早い。しかも冷蔵庫に入れると中心の温度が下がり、火の通りが悪くなる。
 網に掛けて直火で返しながら、焼きなすも良いが、おすすめは皮を薄くむいてからの丸揚げだ。翡翠(ひすい)色に輝く身は、焼きなすの数倍見てくれと味わいに優れている。そう、その通り。なすは焼きなすと思い込んでいないか? 野菜にはまだまだ可能性があるのだ。
 そしてその可能性の深淵(しんえん)を見たものこそが、料理の天才と呼ばれる人なのではあるまいか。

今月の食材
なす 京都府産
大しめじ 京都府産
きくらげ 広島県産
松茸 徳島県産
穴子 長崎県産

●元麻布 かんだ 東京都港区元麻布3-6-34 カーム元麻布1F TEL03-5786-0150
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