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穴子すし
野菜はどうか?
 野菜は知性で味わうのだ。「最近、野菜不足だから」とか、「植物繊維を取らないと」とか、いいわけしながら食べる。しかしふと、野菜のおいしさに気づく。ただしやはり本能ではなく、脳みその中の、理性的なところで食べているのだ。
 日本の伝統宗教の大乗仏教でも肉食を禁じているが、それはつまり人は本能的にではなく理性的に生きるべきだとの教えではあるまいか。
 野菜は、その調理にも知性が必要である。
 旨い肉なら塩があればよく、旨い刺し身なら醤油でいいが、野菜はそう簡単には、おいしさを引き出すことはできない。
 野菜のおいしさを一言で言えば、野菜の内包する水分の旨さだと言えるだろう。そしてそれは、野菜を育てた水分であり、それを与えた土の旨さということになる。水分にはミネラルと香りがある。この水分をいかに残し、あるいは捨て、時に水分を入れ替えて調理するかが、野菜を料理するということにつながる。
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