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鱧の造り 焼きカラスミまぶし
神田裕行 真味只是淡
第十二回
Photo Masahiro Goda
京都に通う。
 日本人なら誰もが京都に憧れ、そして京都で和食を堪能したい。
 京都は、なんてずるいのだろう。そこに行くだけで、ああ日本人で良かったと思わせ、ああ日本料理が食べたいと心から思わせる。そのために京都はそこにあり、いつも我々を待ち受けているのだ。
 2年前、本誌の企画で京都府の副知事、山下晃正氏と、嵐吉兆のご主人、徳岡邦夫氏と対談させていただいた。
 お二方から多くを学んだが、もっとも腑に落ちたのは、「そら、帝さんの住む街やから、もちろん人が住む条件で一番大事な良水があることは間違いない」「上ル、下ル、という京都の地名は御所に対する敬意だけやのうて、実際の川の上流下流の意味もあった。せやから今でも、昔からの料理屋さんは、上流の水汲く みに行ったはる」ということ。
 京都の料理人は海外の出仕事にも、京の水を持って行くという。清流によって磨き上げられた京料理は、日本料理の原点でもある。
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