世界の贅沢、NILEの贅沢

（上）ジャガイモとセリのおひたし。ジャガイモをシャキッとゆでて、クレソン、三つ葉を三杯酢であえ、鰹節と海苔をかけて。クリュッグ グランド・キュヴェに合わせた一品。
（下）ジャガイモとウニの春巻きはクリュッグ グランド・キュヴェによく合う。マッシュポテトにウニを混ぜ、桂剥きしたジャガイモを皮にして揚げれば、“ウニモ春巻き”の完成だ。

神田はクリュッグのアンバサダーシェフを務めている。初めてクリュッグを口にした時のことをこう振り返る。「さすが高価なシャンパーニュは違う」と。だから、クリュッグ グランド・キュヴェに合うジャガイモ料理を依頼されると、迷いはなかった。「クリュッグ グランド・キュヴェで最も引きつけられるのはその香ばしいアロマ。このユニークなフレグランスを、ポテトとシャンパーニュの最適なフレーバーを引き出すような料理で表現する」と決めている。
　ジャガイモは桂剥（かつらむ）きにして、春巻きの皮とする。ゆでてマッシュしたジャガイモにウニを混ぜ、桂剥きにしたジャガイモで巻いていく。オリーブオイルで香ばしく揚げれば、豪華なジャガウニ春巻きの完成だ。揚げたジャガイモの香ばしさとウニの甘みがクリュッグ グランド・キュヴェにぴったりである。また一つ、ジャガイモとクリュッグのおいしいマリアージュを知ってしまった。
　ジャガイモはどんな色にも染まる「キャンバス」とも言うべき野菜である。ゆでる、煮る、揚げる、ふかす。丸ごと、千切り、乱切り、桂剥き。どんな料理法でも、形状でも、その魅力を味わえる。
　今回、神田に「ジャガイモ料理を5品作ってほしい」と依頼した時、悩みに悩んだ。誰もの心の味になっているジャガイモ料理を作っても、らしくない。でも、肉じゃが、ポテサラ、カレーライスを無視はできない。考え抜いた末、「かんだ」でジャガイモ料理を出すとしたら……。
　肉じゃがは、神田が一番おいしいと思っている宮崎牛のヒレ肉の塊で作る。牛肉の脂を溶かし、肉を強火で焼いていく。ここに、あらかじめゆでた皮つきのジャガイモ、小麦粉をまぶしたタマネギを入れて、オリーブオイルを回し入れて焦げ目がつくくらい強火で焼く。油が不足した場合は、オリーブオイルを回しかける。最後にすき焼き用の割り下で煮絡める。

（上）フライドポテト載せカレーライス。たとえレトルトカレーであっても、このフライドポテトを作れば驚くほど旨いカレーに変身。ジャガイモが主役のカレーの出来上がり。
（下）神田の肉じゃがは、宮崎牛のヒレ肉をステーキのようにレアに火入れ。ゆでたジャガイモと小麦粉を軽くまぶしたタマネギを強火で焼き、さっとすき焼きの割り下で煮絡める。