世界の贅沢、NILEの贅沢

「その年の天候に左右されることなく、常に最高品質のシャンパーニュを造る」という理念のもと、１８４３年の創業以来、至高のシャンパーニュを生み出し続けてきたクリュッグ。このクリュッグが、15人の世界有数の“クリュッグアンバサダーシェフ"たちによるクリュッグ×ポテトのマリアージュを発表した。
　そもそも、なぜポテトなのか。クリュッグ家6代目当主、オリヴィエ・クリュッグ氏は、「素朴でありながら気高いポテトとクリュッグとの大胆な組み合わせは、私の先祖の異端児とも言える精神を忠実に表しています」と語る。
　実際、ポテトほど世界的に普及している食材は少ない。現在、流通しているポテトの多くは、紀元前４００年から紀元前７００年の間、ペルー北部のアンデス山脈で作られたものが原産とされている。ヨーロッパにもたらされたのは１５７０年代のことで、当初は飼料や病院食として受け入れられた。しかし、18世紀にはヨーロッパの統治者たちに支持され、フランスではマリー・アントワネットが髪にポテトの花を挿したという逸話が残っている。そして、続く戦争やフランス革命によって引き起こされた食糧難以降、ポテトは人々を救う貴重な食べ物として浸透したのだ。
　近年、欧米を始め世界で、有名シェフや有機栽培を行う農業従事者により、ポテトが新たに注目されている。こだわりのフレンチフライ店に長蛇の列ができ、ペルーでは原産ポテトが商業化され、話題を集めた。多彩な色と味わいを持つ原産種が、世界各地のシェフたちの創造力をかきたててきたのである。