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「農産品では、スイカが本県の稼ぎ頭の一つ。ブランド化を考えるうえで振り返れば、2008年にドバイに乗り込み、王族に一玉3万円のスイカを売ったことがターニングポイントでしたね。全国ニュースになって、高級イメージが浸透しました。あと、鳥取和牛はオレイン酸の含有量が豊富で脂が違っておいしいと人気が高い。
 中でも種雄牛の『白鵬(はくほう)85の3』は、2017年に開催された“和牛のオリンピック"と称される全国和牛能力共進会で『肉質日本一』のお墨付きを得て、子牛は全国からひっぱりだこです。ゲノム解析といった、先端技術を駆使して、『隆福也(たかふくなり)』や『元花江(もとはなえ)』など次世代エース候補の種雄牛が続々と誕生しています」 と胸を張る知事は、「蟹取県」のようなインパクトのあるワンフレーズPRが実にうまい。また「小さい」「人口が少ない」「大手チェーン店がない」など鳥取県のマイナスイメージを逆手に取って「スタバはないが“すなば"はある」
 「ドンキはないけどノンキに暮らせる」などの笑えるキャッチフレーズを打つことや、弱点を強みに変える戦略にたけている。
 「人口が少ないのは非常に大きなハンディキャップですが、だからこそ人と人の距離が近い部分があります。学者も医師も行政マンも弁護士も若い起業家も、いろんな職種の人たち皆が知り合い。“顔が見えるネットワーク"でつながっています。これを生かせば、大都市とも互角で戦えます。例えば地元企業の製品開発に産学官がどぶ板的に関わり合うとか、災害時に迅速かつきめ細かく、柔軟に支援を行うなど、皆が知恵を絞り、持てるパワーを発揮しています」
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