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(上)「本貫花(むとぅぬちばな)」より。18~19歳の若い女性の恋物語なので白や薄桃色の華やかな紅型を着て房指輪をシャランシャランと鳴らしながら舞う。しっとりと叙情的な雰囲気を醸す。琉球伝統芸能デザイン研究室 www.ryu-design.or.jp(下)1960年に建てられた「美榮」の座敷へと続く畳廊下。コンクリートが主流になりつつあった時代に、あえて昔ながらの伝統的な木造建築にこだわった。  
今に伝わる琉球王国時代の宮廷文化の一つに琉球伝統芸能が挙げられる。「琉球古典音楽や琉球古典舞踊などの宮廷芸能は、『国学』として外交のツールとされていました。首里城だけでなく、江戸や薩摩の屋敷に“踊奉行"を派遣して披露していた」と話す歌うた三さん線しんの師範で、沖縄県立芸術大学の山内昌也(やまうちまさや) さん。山内さんが代表を務める琉球伝統芸能デザイン研究室では、琉球王国時代に演じられていた本来の宮廷芸能を再現し、限られた人のために上質な空間で演じ始めた。この試みが「美榮」での上演により最高の空間が誕生したわけだ。歌三線と舞踊のみ。ゆったりとした雅な旋律に、首里城で使われていた、現在の沖縄の方言とも異なる古語の歌が真言のように響き、それに合わせて伝統装束の紅型(びんがた)を着た踊り手が舞う。座敷では、畳の上で舞うすり足や三線の弦を押さえる音まで聞こえる。この細やかさ、神経の行き届いた優美さにこそ、宮廷芸能の美学が宿る。
「廃藩置県以降、宮廷芸能は首里以外で演じられましたが、庶民の生活リズムに合わず、軽快に歌って踊れるものとして生まれたのが沖縄民謡や雑踊(ぞーおどり)。それに対し、王国時代の美や文化を伝えるのが琉球伝統芸能なのです」
 琉球料理に舌鼓を打ちながら、本格的な琉球伝統芸能に見入る。それは琉球王国時代の優雅で特別な時間となるに違いない。琉球の伝統文化を継承する“本物"の競演が、今、沖縄で始まろうとしている。
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