



(左から)
やわらかい香りの「純米酒 黒牛」1.8ℓ 2,520円(右)。山田錦のみを使用した「純米大吟醸 環山黒牛」720㎖ 2,580円。
名手酒造店の社歴14年目の杜氏、岡井勝彦さん。香川県小豆島出身で、大学卒業後、名手酒造に就職し、日々腕を磨いている。
木造の蔵は温度変化を抑えるため、屋根と壁が厚く、東西に向いて建つ。
酒造りには、現在も敷地内に3カ所ある井戸の水を使用している。
やわらかい香りの「純米酒 黒牛」1.8ℓ 2,520円(右)。山田錦のみを使用した「純米大吟醸 環山黒牛」720㎖ 2,580円。
名手酒造店の社歴14年目の杜氏、岡井勝彦さん。香川県小豆島出身で、大学卒業後、名手酒造に就職し、日々腕を磨いている。
木造の蔵は温度変化を抑えるため、屋根と壁が厚く、東西に向いて建つ。
酒造りには、現在も敷地内に3カ所ある井戸の水を使用している。
清い水と発酵とくれば、日本酒だ。和歌山県でも、北部を中心に各地の蔵で日本酒が醸造されている。ここ県北西部の海南市黒江にある名手酒造店は1866(慶応2)年に名手源兵衛氏が創業した酒蔵だ。
かつて黒江は、万葉集に「黒牛潟」と詠まれた。それは、潮の満ち引きによって見え隠れする、黒い牛のような大岩があり、そう呼ばれたという。この黒岩は、現在の名手酒造店の敷地内だと伝わっており、つまりこの辺りは入江であったと考えられている。そのため、地下水はミネラルが豊富な弱硬水である。名手酒造店では、現在も敷地内に3カ所ある井戸の水を使い続けている。5代目蔵元の名手孝和さんがこだわるのは、この黒江の水と、自ら兵庫・滋賀・富山・岡山と買い付けに走る米、そして最新の設備だ。酒造というと古い世界のようだが、「発酵という自然が相手のモノづくりでは、最新設備も必要」と名手さんは強調する。米の洗い方ひとつをとっても、その後の発酵に大きく影響する。
酒造りで大切なのは、米、水、設備、そして杜氏を始めとした蔵人たちの技量と感性である。それらをまとめる経営姿勢を含めた総合力でブランドが築かれる。
「ここの町内会の名前と同じ『黒牛』を冠した酒ですから、蔵元として地域の誇りを背負う気概で造った純米酒です。麹の発酵の力を引き出した、キレ味のある酒。酸味のある食中酒として楽しんでいただいています」と名手さんは話す。
●名手酒造店 和歌山県海南市黒江846
TEL073-482-0005
かつて黒江は、万葉集に「黒牛潟」と詠まれた。それは、潮の満ち引きによって見え隠れする、黒い牛のような大岩があり、そう呼ばれたという。この黒岩は、現在の名手酒造店の敷地内だと伝わっており、つまりこの辺りは入江であったと考えられている。そのため、地下水はミネラルが豊富な弱硬水である。名手酒造店では、現在も敷地内に3カ所ある井戸の水を使い続けている。5代目蔵元の名手孝和さんがこだわるのは、この黒江の水と、自ら兵庫・滋賀・富山・岡山と買い付けに走る米、そして最新の設備だ。酒造というと古い世界のようだが、「発酵という自然が相手のモノづくりでは、最新設備も必要」と名手さんは強調する。米の洗い方ひとつをとっても、その後の発酵に大きく影響する。
酒造りで大切なのは、米、水、設備、そして杜氏を始めとした蔵人たちの技量と感性である。それらをまとめる経営姿勢を含めた総合力でブランドが築かれる。
「ここの町内会の名前と同じ『黒牛』を冠した酒ですから、蔵元として地域の誇りを背負う気概で造った純米酒です。麹の発酵の力を引き出した、キレ味のある酒。酸味のある食中酒として楽しんでいただいています」と名手さんは話す。
●名手酒造店 和歌山県海南市黒江846
TEL073-482-0005