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(左)イカスミのタリオリーニ越前がにのオーブン焼きとともに
イカスミの磯の香りとカニの甘み、みその濃厚な味わいが独立しながら一つに溶け込む。それにしても脚のこの存在感! イタリアンレストランで無言で、ひたすらカニをほじるのもオツなものだ。
(右)セイコガニとカリフラワーのビアンコマンジャーレ キャビア添え
セイコガニのうまさを多層的に再構築。繊細、複雑、濃厚な味わいの合間を縫うように、口中を爽やかな海風が吹き抜ける。トマトの赤、アボカドの緑、カニの白とイタリアンカラーで組み立てたのもさすがだ。
そして2品目は、越前がにの身とみそが主役のソースをからめた、イカスミを練り込んだパスタ。オーブンで焼いた脚が添えられ、越前がにが一皿で完結している。本多が言うように、「越前がにを食べてます」的な喜びが湧き上がる一品だ。
 「パスタはトマトを練り込んだものとか、いろいろ試しましたが、イカスミの磯の香りがカニの甘みとかコク、風味に一番合うと思いました。ソースはオイル系がいい。トマトソースだと越前がにの甘みが消えちゃうんです。でも、酸味は欲しいので、セミドライトマトとかケッパー、レモン汁で。ソースはカニの甘みをぐっと引き出すために、若干辛めにしています。ケッパーと白ワイン、アサリ汁を煮たてたところにカニとセミドライトマト、あらかじめソテーしておいたターサイを加えたものです。で、最後にオリーブオイルでのばしたみそを載せ、エシャロットのみじん切りで飾ってレモン汁を少々。脚の方の味付けは白胡椒とオリーブオイルだけ。塩は使いません」
 これら2品はいずれも、店のメニューに載せているもの。ただ今年から、ロシア産のカニをやめ、越前がにを始めとする“ブランドもの"のズワイガニを使うことにしたそうだ。「値段は高いけれど、味のメリハリ感が全然違う」からだ。「イタリアではワタリガニをよく使います。身より出汁を味わう感じかな。一方、ズワイガニは身のおいしさですよね。日本で供する以上、冬を楽しむ最高の珍味であるズワイガニにこだわりたいですね」と本多。
 個人的には「半生の焼きズワイガニが大好き」だそうだ。

●Ristorante HONDA
東京都港区北青山2-12-35 1F
TEL03-5414-3723 ristorantehonda.jp
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