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“冬の味覚の王様”は、何といってもズワイガニ。日本各地でとれるこの蟹は、地域によって呼び名が異なる。福井では雄を越前がに、雌をセイコガニと呼ぶ。甲羅に付着している茶色の小さな粒はカニビルの卵。これが付着しているカニは「脱皮後の時間が長いことを示しており、身入りが良い」とも言われる。そして、料理人が口をそろえて言う。「日本のカニ、中でもズワイガニは特別だ」と。
蟹 色 香 味 形
Crab From Echizen
Photo Masahiro Goda Text Junko Chiba
蟹はそれだけで全てを語る
銀座 小十 奥田 透
甲羅を器に、底に内子を敷き詰め、周りを脚の身で囲み、身をドサッ、さらに外子をドサッ。これを蒸すこと4~5分。熱々で食すこのセイコガニの蒸し料理は、小十でしか味わえない冬の一番人気メニューである。
 越前がにではセイコガニ、松葉がにではセコガニと呼ばれる雌のズワイガニの複層的なうまさを、丸ごと独り占めにする感じがたまらない。
 「塩も醤油も味付けは一切なし。カニ自身の持つ繊細な自然の味わいを堪能していただくには、料理はシンプルなほどいいと思っています。大人気なので、漁は年明けすぐに終わるんですが、うち用に500匹くらいストックしてもらってます。それでも1月中にはけちゃうんです」
 雄のズワイガニ、越前がになら、焼いて、甘みのある身を濃厚なみそにつけて食べるなど、「シンプル」を重視する奥田透はまた、「カニは温かい方がおいしい」と断言する。
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