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松葉がに 蟹みそ焼き
神田裕行 真味只是淡
第五回
Photo Masahiro Goda 文・神田裕行
海老と蟹が大好きだ。
 小さい頃はそうでもなかったのだが、歳としのせいかあの甲殻類独特の甘さが恋しい。
 おしなべて蟹は冷たい海のものがうまく、海老は南の方がうまいと感じる。蟹の横綱は、日本海のズワイガニだろう、越前がに、松葉がにの他に津居山、間人など名産地が蟹自慢を誇っているが、意外や地元では香箱、あるいはセイコと呼ばれる小さな雌蟹が人気のようだ。確かに、内子や外子が豊富で、みその味わいも濃い雌蟹はうまみたっぷりだが、雄蟹の白く艶つややかな身の甘さも捨てがたい。
 かんだでは、雄蟹の身に雌蟹の内子外子を絡め香箱の殻に詰め、蒸し器で温め蟹みそを塗り、あぶって出している。さしずめズワイガニの男女ミックスダブルスというわけだ。
 海老は南ほど、また小さいほど、私好みだが、新年を祝うなら伊勢海老がふさわしい。
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