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 東西に広がる瀬戸内海の中ほどに位置するのが、尾道だ。瀬戸内海の水路の要衝地として昔から栄えた小さな港町である。海辺に迫った本土側の山腹には、かつての豪商や大名が建てた寺院が、25以上も残されている(かつては80以上あったという)。そうした寺院や民家を、徒歩でしか入れない路地や坂道が結ぶ。
 迷路のようだが、細い石畳に沿って案内の標識が設けれている。この町に魅せられて多くの文豪が執筆活動の場とした。そうした昔ながらの家の多くが小さなミュージアムとなっている。地元ボランティアが昔話を交えながら、ここを舞台にした作品を解説してくれる。
 起伏の激しい散策コースだが、山頂にある空海開基の千光寺へは地元民にも愛用されるロープウェイが運行している。わずか3分ほどの空中の旅で、尾道の町並と対岸の向島が一望できる。向島との間の尾道水道は、一際濃い群青を帯び、海の川と称されることに納得する。しっとりとした町並みと水辺の活気が織りなす風景が、映画のプロローグのように流れてゆく。
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