
山本譲司(やまもと・じょうじ) インリー・グリーンエナジージャパン代表取締役社長
2003年同志社大学工学部卒業後、大林組入社。05年マクニカ入社。14年インリー・グリーンエナジージャパン入社。15年同社営業統括部長就任。16年より現職。
2003年同志社大学工学部卒業後、大林組入社。05年マクニカ入社。14年インリー・グリーンエナジージャパン入社。15年同社営業統括部長就任。16年より現職。

太陽光のポテンシャルを投資に
Photo TONY TANIUCHI
Text Mayumi Sakamoto
Text Mayumi Sakamoto
太陽光バブル後の今、原発停止によって電気料金が上昇傾向にあり、グリッドパリティへとシフトしていくという。太陽光発電の普及はこれからが本番だ。
ちまたでは、太陽光バブルは終わったと言われている。メガソーラーに適した用地が減り、国が定める電力の固定価格買取制度(FIT)も1kWhあたりの単価が42円から年々低下し、今は24円。この単価だけを見るとネガティブな意見が聞こえてきそうだが、「太陽光発電の普及はこれからが本番」とインリー・グリーンエナジージャパン代表取締役社長の山本譲司氏は言う。
その大きな理由に、FITにより太陽光発電の市場が拡大し、太陽光発電システムの設置コストが飛躍的に下がったことを挙げる。
「設置コストが下がったことは、FITが果たした大きな功績の一つと考えています。FIT単価買取価格が低下していることをネガティブに捉える人もいます。しかし、今後は高い技術力や調達力、長期ビジョンなしには収益性を高めることが難しく、本気で再生可能エネルギーの普及を生業とする事業者でないと勝ち残れなくなるため、これにより市場が落ち着きを見せるのは非常に良いことです」
太陽光発電という成長市場に安易に参入した企業が倒産するケースも出ている。大義なき、文字通り「濡れ手に粟」のビジネスにとどまる企業が一掃されることもバブル終しゅう焉えんのメリットと言えるだろう。それともう一つ、その先には「グリッドパリティ」がある。
「私たちが電力を電力会社から購入する単価と太陽光発電など再生可能エネルギーによる発電コストが同一あるいは安価になることをグリッドパリティと言います。設置コストは低下してきている反面、電力料金は原発停止により上昇傾向にあるため、再生可能エネルギー普及先進国のドイツ同様に日本も今後は間違いなくグリッドパリティに向かっていくと考えられます」
FITの買い取り期間は20年間だが、ローテクでシンプルな構造である太陽電池モジュールの寿命は長く、20年後以降も売電収入を得られる可能性は非常に高い。
インリー・グリーンエナジーは、2016年現在で累計出荷量が15・5GWを突破。世界中の太陽電池モジュールの10枚のうち1枚が同社製ということである。25年間の出力保証を担保する品質主義を貫き、業界においてのネームバリューも高い。とはいえ、ネガティブな話題がないわけではなかった。
「中国本社の赤字経営が続いていましたが、さまざまな経営改革施策により2016年1︲3月期より約5年ぶりに黒字に転じています。太陽電池モジュール製造メーカーのリーディングカンパニーとして走り続けた企業だけに、他にはない底力があります」
その大きな理由に、FITにより太陽光発電の市場が拡大し、太陽光発電システムの設置コストが飛躍的に下がったことを挙げる。
「設置コストが下がったことは、FITが果たした大きな功績の一つと考えています。FIT単価買取価格が低下していることをネガティブに捉える人もいます。しかし、今後は高い技術力や調達力、長期ビジョンなしには収益性を高めることが難しく、本気で再生可能エネルギーの普及を生業とする事業者でないと勝ち残れなくなるため、これにより市場が落ち着きを見せるのは非常に良いことです」
太陽光発電という成長市場に安易に参入した企業が倒産するケースも出ている。大義なき、文字通り「濡れ手に粟」のビジネスにとどまる企業が一掃されることもバブル終しゅう焉えんのメリットと言えるだろう。それともう一つ、その先には「グリッドパリティ」がある。
「私たちが電力を電力会社から購入する単価と太陽光発電など再生可能エネルギーによる発電コストが同一あるいは安価になることをグリッドパリティと言います。設置コストは低下してきている反面、電力料金は原発停止により上昇傾向にあるため、再生可能エネルギー普及先進国のドイツ同様に日本も今後は間違いなくグリッドパリティに向かっていくと考えられます」
FITの買い取り期間は20年間だが、ローテクでシンプルな構造である太陽電池モジュールの寿命は長く、20年後以降も売電収入を得られる可能性は非常に高い。
インリー・グリーンエナジーは、2016年現在で累計出荷量が15・5GWを突破。世界中の太陽電池モジュールの10枚のうち1枚が同社製ということである。25年間の出力保証を担保する品質主義を貫き、業界においてのネームバリューも高い。とはいえ、ネガティブな話題がないわけではなかった。
「中国本社の赤字経営が続いていましたが、さまざまな経営改革施策により2016年1︲3月期より約5年ぶりに黒字に転じています。太陽電池モジュール製造メーカーのリーディングカンパニーとして走り続けた企業だけに、他にはない底力があります」