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長崎湾の東側に集まる名所の大半は、南北に走る路面電車で回ることができる。ホテルから歩いて2、3分で大浦天守堂下駅だ。3駅ほど新地と呼ばれる赤い中国門に迎えられるチャイナタウンがあり、今も中国料理店が軒を並べる。
 そのすぐ近くには、鎖国期間に外国貿易の窓口となった出島が再現されている。徳川幕府の命で築かれた人口の島で、かつての商館や住居がミュージアムやカフェとなっている。歩いて回っても10分ほどの扇形の小さな島で、異人達はどのように暮らしていたのだろうか。200年にもわたってここが外国との唯一の接点だったと思うと、感慨深い。
 異国情緒の濃い山手から、真北に流れる浦上川に沿って走る路面電車で20分ほど、東岸川に原爆が投下された地の平和公園がある。公園の丘の上には、キリシタン弾圧に耐えた信者らが明治時代に建てた浦上天主堂。原爆で全壊したのを再建したもので、赤い煉瓦の建物が周辺の緑に一際鮮やかだ。
 川の西側には標高333mの稲佐山展望台へのロープウェーが運行している。香港、モナコと並ぶ世界三大夜景のスポットだ。山肌をビーズのように覆う家々の明かりと、長崎湾の水面に照り返す街の鮮やかなイルミネーション。その艶やかな余韻を有明海からの夜風がはらんでいた。
(上)キリシタン弾圧に耐えた信者らが明治時代に建てた浦上天主堂。(下)香港、モナコと並ぶ世界三大夜景とされる長崎。稲佐山からのこの美しい眺めも長崎だけのものである。
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