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耳の大きなアフリカゾウ(サバンナゾウ)は雌を中心に群をつくり、行動半径も広い。巨大な体を維持するため食べ続け、飲む水は1日100~300リットルにも。雌をめぐる争いか、縄張り争いか、争うゾウに出合うことも多い。
GREAT VACATION
南アの休日
Photo&Text Chiyoshi Sugawara
Game Safari at Kruger National Park

国土面積が日本のほぼ2.3倍の南アフリカ共和国は、金やダイヤモンドの世界的な産地であるとともに、かつてはアパルトヘイトと呼ばれる人種差別の国として知られていた。しかし、民主化とともにアフリカ最大の経済大国となり、2010年サッカー・ワールドカップを成功させ、2019年からは国連安全保障理事会の非常任理事国を務める。一方、世界有数の野生動物保護国でもあり、公立、私営を含めた保護区は国土面積の6%を占め、豊かな野生が世界の人々を引きつけている。
147種の哺乳動物が棲むというクルーガー国立公園は、アフリカを代表する野生動物保護区で、南アフリカ北東部のムプマランガとリンポポ両州にまたがり、およそ2万㎢という広さは四国の面積をしのぐ。約350㎞と南北に細長く東西は約60㎞、9カ所のゲートが設けられている。ローフェルトと呼ばれる低高原地帯が広がり植生も多様で樹木類は336種。鳥類507種、魚類49種、両生類34種、爬虫類114種などの数字が並び、世界の旅行者を引きつける「野生の王国」だ。公園内は舗装道路が張り巡らされ、ドライブをしながら野生動物を見てゆくのだが、公園内の主要ポイントを回るだけで3日間が必要といわれる。
 自然保護と安全の面から車両の最高時速は50㎞(未舗装道は40㎞)、道路以外の走行、車外に出ることや窓を開けることの禁止、25席以上のバスが走れるのは舗装道路のみで、騒音はもとより、緊急時以外の携帯電話での通話禁止など、厳しいルールがある。レストキャンプと呼ばれる大小さまざまなタイプの宿泊施設が20カ所ほどあり、キャンプによっては早朝や夕暮れのゲーム・ドライブやブッシュ・ウォーク、3泊の徒歩によるウィルダネス・トレイルなど、武装したレンジャー/ガイドがつくアクティビティーなどもある。
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