
(左)シェフのリオネル・ベカ氏はコルシカ生まれ、南仏育ち、来日して8年という多彩な文化的背景の持ち主だ。柔軟な発想で料理に取り組み、タケノコやアユといった日本の素材や、日本料理のだしの技法などにもアプローチ。南仏風の柑橘類の使用法、ベカ氏独自の発想による食材の組み合わせを取り込むことも。シンプル、かつ意外性のある料理が特徴だ。
(右)シェフのリオネル・ベカ氏の意見を反映した内装は、「自分が住みたい家」がテーマ。なじみ深い、南仏の邸宅をイメージした。ベカ氏の料理はモダンで斬新だが、内装はナチュラルでシンプル、落ち着いたデザイン。ゲストがリラックスできるよう、緊張を強いる要素は排除している。ビルの9階に位置し、昼は自然光がたっぷりと入り明るく開放的な雰囲気に。
(右)シェフのリオネル・ベカ氏の意見を反映した内装は、「自分が住みたい家」がテーマ。なじみ深い、南仏の邸宅をイメージした。ベカ氏の料理はモダンで斬新だが、内装はナチュラルでシンプル、落ち着いたデザイン。ゲストがリラックスできるよう、緊張を強いる要素は排除している。ビルの9階に位置し、昼は自然光がたっぷりと入り明るく開放的な雰囲気に。
新しい「贅沢」の確立
ESqUISSE
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2012年6月にオープンしたエスキス。シェフのリオネル・ベカ氏が目指すのは、「ゲストに心からくつろいで料理を楽しんでもらえる、贅沢なレストラン」だ。ただし、ここで言う「贅沢」とは豪華さのことではない。心地良くリラックスでき、かつ日常からは離れた特別な雰囲気がある、という意味だ。空間づくりと料理の両方に、この考え方は表れている。
エスキスがあるのは、並木通り沿いのビルの9階。エレベーターを降りると、白い塗り壁と木目を基調とした、ナチュラルで心地良い空間に迎えられる。エスキスには、いわゆる高級レストランにありがちなゴージャスな空気はみじんもない。かといって、カジュアルに傾くこともない。テーブルの間を十分にとったフロアは、ゆったりと落ち着いた雰囲気。椅子やショープレート、テーブル上のオブジェは、いずれもモダンかつ優美なデザイン。ナチュラルでありながら洗練、というバランスを実現している。
一方の料理も、ベカ氏のひらめきを明確に打ち出した独創性と、素材本来の個性を尊重した自然な味わいの両方を併せ持っている。また、日本特有の食材や技法が頻繁に登場するのも、ベカ氏の料理の特徴だ。「日本で料理を作るのであれば、日本の優れた食材を使いたい。ただし、やみくもに取り入れているわけではありません。私の能力と経験で扱うことができる素材もあれば、新たに分析し、理解しなくてはならない素材もあります」
エスキスがあるのは、並木通り沿いのビルの9階。エレベーターを降りると、白い塗り壁と木目を基調とした、ナチュラルで心地良い空間に迎えられる。エスキスには、いわゆる高級レストランにありがちなゴージャスな空気はみじんもない。かといって、カジュアルに傾くこともない。テーブルの間を十分にとったフロアは、ゆったりと落ち着いた雰囲気。椅子やショープレート、テーブル上のオブジェは、いずれもモダンかつ優美なデザイン。ナチュラルでありながら洗練、というバランスを実現している。
一方の料理も、ベカ氏のひらめきを明確に打ち出した独創性と、素材本来の個性を尊重した自然な味わいの両方を併せ持っている。また、日本特有の食材や技法が頻繁に登場するのも、ベカ氏の料理の特徴だ。「日本で料理を作るのであれば、日本の優れた食材を使いたい。ただし、やみくもに取り入れているわけではありません。私の能力と経験で扱うことができる素材もあれば、新たに分析し、理解しなくてはならない素材もあります」