PAGE...1|2|3|4|5
銀杏の実と葉、じゃがいものペーストを乾燥させて揚げた落ち葉、銀杏で作ったマヨネーズなどを散らした「御堂筋」。秋の御堂筋の風景を切り取った、絵画のような遊び心たっぷりのメニュー。
進化し続ける、感性豊かな一皿
La Cime
「テーマは“自由"。これって、すごく大阪的だと思うんです」
 フランスの地方料理に工夫を加え、味も見た目も洗練されたモダンな皿を出す。その一方で、銀杏の実と落ち葉を散らした「御堂筋」など、遊び心あふれる創作的な料理で魅せる。そうかと思えば、古典的フランス料理で、直球勝負をすることもある。
 「この店はこう、と決めつけずに、次は何が出てくるのか楽しみになるような、常に進化する店でありたい」と、「ラ・シーム」の高田裕介シェフは言う。語り口は静かだが、その表情はいたずらっ子のように楽しげだ。背景には、パリの「タイユヴァン」や「ル・ムーリス」などの3つ星レストランで修行を積み、フランス料理の基本とエスプリを肌で学んだ実力派ならでの自信が感じられる。
 メニューは頻繁にかわる。その日の素材や気温、湿度に合わせて、高田シェフが「自分が食べたいもの」を作る。新しいメニューのアイデアは、日々、素材に向き合い、厨房で手を動かすうちに、自然と湧いてくるという。その芸術的な料理が話題を呼び、東京からも多くのゲストが訪れるようになると、フランス料理に対しては「意外と保守的」な印象だった大阪の人々にも広く認められるようになった。そう振り返る高田シェフ自身は、奄美大島の出身だ。
 店は石畳の通りと瀟洒な綿業会館がパリの街角を想起させる船場地区にある。いい意味で“肩の力が抜けている"高田シェフの感性豊かな料理を、気取らずに楽しめる。

●ラ・シーム
大阪市中央区瓦町3-2-15 本町河野ビル1F
TEL06-6222-2010
営業時間12:00~15:00(13:30L.O.)、18:30~23:00(21:00L.O.)
日曜定休
www.la-cime.com
PAGE...1|2|3|4|5
LINK
GOURMET
大阪洋食の定理 Vol.2 オムライス
>>2014.10.8 update
GOURMET
日本の食のトレンドリーダーである、大阪
>>2014.7.24 update
GOURMET
大阪洋食の定理 Vol.1 ビーフカツ
>>2014.9.24 update
STYLE
心斎橋復活の切り札
>>2021.2.18 update
GOURMET
真の紳士が集う社交場
>>2018.9.14 update

記事カテゴリー