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スラムを再生、「世界一、革新的な町」、メデジン
ボゴタの西へアンデス山脈を越えると、コロンビア第二の都市、メデジンがある。標高1500m、西に大西洋へと広がり、常春の気候に恵まれた花の都でもある。その一方で20世紀後半はメデジン・カルテルが君臨する、世界に名だたる犯罪都市であった。
 だが、今世紀に入り犯罪が減り、ボゴタを抜く南米一の経済都市へと成長している。コロンビアの誇る画家、ボテロの出身地でもあり、街角にボテロの作品の幸せそうに太った人々の像が佇む。新市街地はボゴタよりもどこか洗練されており、南欧風情が漂う。
 一方で、すり鉢状のランドスケープの上層分はびっしりとスラム街が広がっている。交通事情も悪くインフラの整わない一帯であったが、近年はケーブルカーやエスカレーターが設置されたことで、一挙に暮らしやすくなり環境も良くなった。そうした試みが、2013年にはウォールストリート・ジャーナルで「世界一、革新的な都市」と評価された。
 コロンビアの都市では所得別に住宅地が区分されており、高級になるにつれて税金や光熱費が高くなる。ケーブルカーから眼下に臨む最低所得のスラム街は衝撃的だ。そんな無法地帯であった集落13区に384mに及ぶエスカレーターが開通した。
 エスカレーター周辺の住民はバラックを鮮やかな色に塗り、通りを整備し治安が改善され、観光客が訪れるように。綺麗に内装の施された家の軒先に設けられたカフェ。そこでの一杯は、初めて知るスラムの日常に育まれた豊かさに満ちていた。
(左上)スラムの広場で(右上)ボテロ広場(左下)スラムの入り口(右下)地元料理
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