
パリのシェフたち Vol.6
Pierre Gagnaire
Pierre Gagnaire
Text Yukino Kano


(左)世界各国に10軒のレストランを展開する料理界の奇才、ピエール・ガニエール。(上)世界的名声を手に入れるきっかけとなった、1998年に三つ星を獲得したパリの旗艦店。
天才と呼ばれる料理人は? と問われれば、すぐに数人の名前を挙げられるだろう。では、奇才と呼ばれる料理人は? 脳裏に浮かぶ顔は、最初の質問よりもぐっと数が減るのではないだろうか。そして浮かんだ顔の中にはきっと、ピエール・ガニエールが含まれているだろう。
ガニエールの料理を味わうのは、一つの“体験"だ。瞬間的に訪れるひらめきと本能が赴くままに、皿の中に料理を創造する。そのひらめきはたとえサービス中であっても頻繁に訪れ、その都度、料理は微妙に変化する。レシピに忠実に、などという考えは彼にはない。リスクをいとわず、その瞬間、これが最高、と感じた“何か"を忠実に、皿に描き出すのだ。音楽に例えれば、指揮者付きのオーケストラ演奏ではなく、ジャズの即興演奏を聴くイメージ。観客、すなわち食べ手も、そんな即興性が紡ぐ、高揚感あふれる唯一無二の体験を求めて、ガニエールの店の門をくぐるのだ。
ガニエールの料理を味わうのは、一つの“体験"だ。瞬間的に訪れるひらめきと本能が赴くままに、皿の中に料理を創造する。そのひらめきはたとえサービス中であっても頻繁に訪れ、その都度、料理は微妙に変化する。レシピに忠実に、などという考えは彼にはない。リスクをいとわず、その瞬間、これが最高、と感じた“何か"を忠実に、皿に描き出すのだ。音楽に例えれば、指揮者付きのオーケストラ演奏ではなく、ジャズの即興演奏を聴くイメージ。観客、すなわち食べ手も、そんな即興性が紡ぐ、高揚感あふれる唯一無二の体験を求めて、ガニエールの店の門をくぐるのだ。
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