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季節の野菜を美しく盛りつけた皿は、小林氏のシグニチャー料理の一つ。
今まで学んだフランス料理の伝統的技術を元に、めきめきと頭角を現した小林氏は、2年後にセカンドシェフに任命され、充実した5年間を過ごした。が、小林氏の胸中には常に上を目指したい、という思いが宿っていた。しかし、フランスを代表するレストランにおいては、外国人である限りどれだけ実力があってもシェフにはなれないのが不文律。デュカス氏のNY店のシェフという話もあったが、ガストロノミー料理の聖地であるパリで自分の実力を試したかった。道はおのずと決まった。パリでの独立だ。
 2011年3月にオープンした「レストラン・ケイ」。パリの中心地、ジビエとトリュフの巨匠と呼ばれ1980年代ごろに一世を風靡した重鎮シェフであるジェラール・ベッソン氏の店を譲り受けた。パリでも最高の立地で広い厨房スペースを備えた名店。他にもこの店を買いたいと手を挙げた料理人は少なくなかった。しかし、往年の巨匠が自分の城の後継者に選んだのは、名もない外国人の料理人。そして、巨匠の選択に狂いはなかった。
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