
パリ中心部、ルーブル美術館に程近い小道にある「レストラン・ケイ」。レースのような薄く美しいカーテン越しにうっすらと見える客席が、道ゆく人々の好奇心を誘う。
こばやし・けい
1977年、長野県生まれ。長野と東京のレストランを経て、1998年渡仏。「オーベルジュ・デュ・ビュー・ピュイ」など地方の名店で修業後、パリの三つ星「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」へ。同店のスーシェフとして活躍後、2011年3月、パリに「レストラン・ケイ」をオープン。1年目で一つ星を獲得し、注目を浴びている。
こばやし・けい
1977年、長野県生まれ。長野と東京のレストランを経て、1998年渡仏。「オーベルジュ・デュ・ビュー・ピュイ」など地方の名店で修業後、パリの三つ星「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」へ。同店のスーシェフとして活躍後、2011年3月、パリに「レストラン・ケイ」をオープン。1年目で一つ星を獲得し、注目を浴びている。

金の皿、銀の皿
新世紀を作る料理人たち Vol.2
Restaurant Kei 小林 圭
新世紀を作る料理人たち Vol.2
Restaurant Kei 小林 圭
Photo Masahiro Goda Text Yukino Kano
フランス料理界の頂点に立つ。高い目標を掲げてパリで独立を果たした小林圭氏。一歩一歩確実に頂点を目指しつつある若き日本人が作る珠玉の料理は、パリに集う世界中の食通の味覚を感嘆させる。
フランスを舞台に大活躍中の日本人料理人たち。10人を超える日本人星付きシェフがフランス人の舌をうならせているが、ひときわ高い注目を浴びているのが、「レストラン・ケイ」のオーナーシェフ小林圭氏だ。1998年冬、21歳で渡仏。そこで小林氏を待っていたのは、過酷な現実だった。雇ってもらうはずのレストランからは約束を反古され、働き口を当たった何十軒もの店から得た答えはゼロ。生活費も乏しく、1本のバゲットで3日間をしのいだこともあるという。そんな生活で体が持つはずもなく、年明け、小林氏は帰国の途に就いた。