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神田神保町
教養の復権 Vol.1

Photo Masahiro Goda Text Junko Chiba
活字文化の衰退が叫ばれて久しいが、「どこ吹く風」とばかりに神保町は輝いている。
靖国通り沿いを中心に、多種多彩な分野の専門書を扱う約160の古書店が軒を連ね、明治以来日本人が教養を希求してきた、その時間の堆積が町全体を知的な光で覆うようだ。
神保町は教養への意識が薄れつつある日本人を目覚めさせる“知の磁場”。
「教養の復権」を担う町である。
昔の学生はよく本を読んだ。文学、哲学、自然科学、芸術……あらゆる分野の教養を希求し、食費を惜しみ空腹に耐えてでも、知性の栄養たる本を買い求めた。
 神保町の古書店街に立つと、おそらくはもう40年以上も前に“存在"したそんな学生たちが、あるいは研究に身を投じる学者や、市井の本好きたちが本屋から本屋へと渡り歩きながら、店先で食い入るように棚を見つめていた姿が浮き上がってくるようだ。その様が容易にイメージできるのも、町そのものに今も当時と変わらぬ濃密な“知の空気"がたちこめているからなのか。それは言い換えれば、明治から大正、昭和にかけて日本人が積み上げてきた教養の放つ「紙とインクのにおい」。まずは町の成り立ちを追う。
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