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シューマンズ バー ブック
Photo Satoru Seki Text Ichiko Minatoya
彼の名はチャールズ・シューマン。世界中のバーでバイブルとなった、革新的レシピ本『シューマンズ バー ブック』の著者であり、カクテルを愛する人々のカリスマとして知られる男だ。彼自身が世界の名だたるバーを訪れ、名物バーテンダーとの会話を楽しむ様を映した映画『シューマンズ バー ブック』は、彼の声、たたずまい、彼がまとう空気感にまで触れられる作品として、ファンにとって新たなバイブルとなるに違いない。
バーの〝生ける伝説〞チャールズ・シューマンがNY、パリ、東京などのバーを訪問する映画のタイトルは、彼の名著『シューマンズ バー ブック』からとられたものだ。この本は500種ものカクテルのレシピだけでなく、バーの魅力が詰め込まれた、バーで働く人全ての手引き書として、出版から四半世紀以上経た今も世界中で読み継がれている。
 シューマンは現在もミュンヘンにある「シューマンズ バー」に立つ、徹底した現場主義者だ。バイエルンの農場で育ち、ドイツ国境警備隊で働いた後、フランスで外交官事務所に勤務。退職後はイタリアでビアガーデンを経営、さらにフランス南部やスペインのレストランやバーで経験を積む。そして31歳でミュンヘンに戻り、大学で政治とジャーナリズムを学びながら同時にバーテンダーとして働き、やがて「シューマンズ バー」を開く。彼の深い人間性は、土地やジャンルに縛られない経歴から醸し出されるのだろう。その多彩にして奥深い彼の魅力に引きつけられた多くのファンが、今日も彼のバーを訪れる。
 人生の大半をバーで過ごしてきたシューマンにとって、理想のバーとはどんな店なのだろうか。
 「サイズはそれほど大きくないこと。客との距離がほどよく保たれていること。日本なら岸さん(映画の字幕監修をした〈スタア・バー・ギンザ〉オーナー、岸久)の店のようなバーは、私自身『バーはこうキーピングされるべき』と思う店だね」
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