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プクリサン川の渓谷沿いにある「星のやバリ」。周囲には、まだ開発の手が及ばない、森や田園が広がっている。後ろにそびえるのは、バリ・ヒンドゥー教の聖地があるアグン山。
バリと日本の文化が紡ぐ宿 星のやバリ
Text Michiyo Tsubota
インドネシア・バリ島のウブド郊外に、今年1月オープンした「星のやバリ」。星野リゾートのフラッグシップである星のやブランドの、初の海外進出だ。バリの自然や伝統文化と、日本の宿カルチャーが溶け合う「星のやバリ」は高級リゾートホテルがひしめくバリ島で、独自のポジショニングを模索する。
バリ島ウブドを象徴する景観は、大小数多くある渓谷の尾根沿いに、傾斜地をうまく利用して作ってある田園の風景だ。水田ではアヒルが虫をついばみ、農民が泥だらけになりながら作業をしている。日陰を享受するために植えられた椰子(やし)の木が、景観に南国らしいアクセントを与えている。
 こうしたごく当たり前の田舎の景色も、「星のやバリ」のアクティビティーツアー「文化トレッキング」に参加しながら眺めると、ぐっと深みが増す。熟練日本語ガイドのワヤンさんが説明してくれた。
 「バリ・ヒンドゥー教には、『トリ・ヒタ・カラナ』という、神様と人、人と人、人と自然の調和を大切にする哲学があります。バリの田んぼには、“スバック"という伝統的な灌漑(かんがい)システムがあって、それは、トリ・ヒタ・カラナがもとになって、できているんですね」
 トリ・ヒタ・カラナの哲学を表現したスバック・システムは、バリ州の文化的景観として、世界文化遺産にも登録されている。
 ウブドの中心地から車で約30分。「星のやバリ」があるのも、スバックが巡らされた田園地帯。近年すっかりにぎやかになったウブド中心地に比べると、この辺りには、まだ伝統的なバリの暮らしぶりが色濃く残されている。
 「星のやバリ」のランドスケープは、このスバック・システムから着想を得たデザインだ。プクリサン川が流れる緑濃い渓谷に面した約3ヘクタールの敷地には、全30室のヴィラのほか、ダイニングやスパなどがあり、リゾート全体で、一つのバンジャール(バリの集落単位)を形成しているかのようだ。
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