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806年に遣唐使としての目的を達した空海が帰国の際に滞在し、明星庵と名付けた古刹。その後、明星院と改称。本堂の天井画(121枚花鳥図)は、約250年前に描かれたままの姿をとどめている。
昔からの大陸とのつながり
五島列島の最も西、つまり九州の最西端に位置する福江島は、大陸から近いため、さまざまな人や物、文化が行き来していた。その証しに島には古い寺や神社が残っているし、教会も数多くある。宗教だけで見ても、さまざまな国の文化が入り混じった独特の不思議な風景を生み出しているのだ。
 昔からの大陸との行き来を、今に伝える寺や神社がある。
 その一つが五島最古の寺といわれ、五島の真言宗の本山である明星院(みょうじょういん)だ。この古刹(こさつ)には空海の足跡が残っている。806(大同元)年に空海が唐から帰朝する際、天竺(てんじく)(インド)の仏様である虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)に参拝するために、立ち寄ったと伝わる。既に空海が四国の室戸岬で行っていた修法「虚空蔵求聞持法(ぐもんじほう)」の本尊があったからだ。風待ちで長く滞在することになり、その間「自分が唐から持ち込んだ多くの書物や技術が国のため、民衆のために役立つように」と祈願し続けたという。すると、不思議なことが起きた。夜が明けきらない真っ暗な闇の中、裏鬼門に祀まつっていた本尊を一条の光が照らした。つまり表鬼門(南西)からの光だったため、この寺の名前を「明星庵」と改名したいと進言。この806年をもって明星院の創建としている。650年ほど前からは五島家代々の祈願寺となっている。
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