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ヴェローナ北部、アーヴィオにあるファルコネーリのファクトリー。2014年以来設備投資を進め、クオリティーに徹底的にこだわりながら、生産効率も高め、コストパフォーマンの高いカシミヤ製品が生み出されている。
Timeless cashmere,
endless possibilities
Photo Satoru Seki Text Yasushi Matsuami
イタリアはヴェローナ近郊をホームとするカシミヤのスペシャリスト
ブランド、ファルコネーリが日本初上陸を果たした。近年、本国イタリアを中心にヨーロッパ、ロシアなどで急速に評価を高めてきた、その理由とは? ヴェローナで行われたファッションショーや、ファクトリー訪問を通じて、その秘密と魅力を解き明かす。
急成長するカシミヤブランド

 自然からの恵みだけがもたらす、ナチュラルな贅沢さに触れた時、人は得も言われぬ至福感に酔う。ザンビア産エメラルドの色と輝き、アルバ産ホワイト・トリュフの香り、カスピ海産ベルーガ・キャビアの舌触り……。上質なカシミヤの滑らかな肌触りも間違いなくそんな一つだ。
 カシミヤは、チベットからモンゴルにかけての海抜4000m以上の高地に生息するカシミヤ山羊の毛を、1年に1度梳す かすことで収穫される。昼夜の寒暖差の大きい過酷な環境下で育ったカシミヤ山羊ほど、繊細かつ柔軟な毛質となり、通常のウールの10倍もの保温性や保湿性を有するという。1頭当たりの収穫量はわずか200g。その希少性ゆえに「繊維の宝石」とも呼ばれる。
 そんなカシミヤのスペシャリストとして、近年ヨーロッパを中心に急速に認知を拡大しているブランドがある。それがファルコネーリだ。
 ファルコネーリは1999年、イタリア北東部のヴィチェンツァ郊外で創業した。ファウンダーのピエランジェロ・フェンツィ氏は、アンドレア・フェンツィというニットウェアメーカーのファミリーに生まれ、大学卒業後、ドイツの編み機メーカーでキャリアを積み、ノウハウを蓄積して帰郷。経験を生かし、ファミリービジネスを発展させるべく、ファルコネーリを設立する。伝統的な技術も押さえながら、着やすさを追求した新たなコンセプトやスタイリング、革新的な染色技術や仕上がりなど、先進的かつ合理化されたアイデアの導入が目指された。創業から10年間は、限られた規模でビジネスを展開していたが、2009年、起業家サンドロ・ヴェロネージ氏との出会いが、大きな転機をもたらした。

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