
荘厳なたたずまいの南宗寺の山門。1739(元文4)年に建立された。四脚門の切妻屋根や、良質の太い材木を用いた山門は、そこはかとない力強さを感じさせる。
「八戸は東廻り船にて度々江戸へ参り申候あいだ、たばこ・茶など江戸より持ち参り、我らが弟子都々一坊扇歌が作りたるどどいつ『とっちりとん』などの本これあり。盛岡よりもかえって江戸近くござ候」
これは1842(天保13)年に、江戸からここ八戸に初めて興行に来た落語家の船せん遊ゆう亭てい扇せん橋きょうが、旅日記『奥のしをり』に記した一文だ。盛岡より江戸から遠いはずの八戸だが、天保の時代、海運によって豊かな消費生活が花開いていたことが、よくわかるものだ。
これは1842(天保13)年に、江戸からここ八戸に初めて興行に来た落語家の船せん遊ゆう亭てい扇せん橋きょうが、旅日記『奥のしをり』に記した一文だ。盛岡より江戸から遠いはずの八戸だが、天保の時代、海運によって豊かな消費生活が花開いていたことが、よくわかるものだ。