
モンパルナス大通りのクロズリー・デ・リラ。カウンターに打ち付けられたプレートにヘミングウェイの名前が刻まれている。アパートが近かったこのカフェを仕事場にしていた。
高校を卒業した1917年、アメリカは第1次世界大戦に参戦。兵役を希望するも両親の反対で断念、大学進学を拒んでカンザスシティー・スター紙の見習い記者となるも翌年退社。赤十字の運転兵としてイタリア戦線に赴き足に重傷を負う。この時ミラノの赤十字病院で『武器よさらば』のヒロイン、キャサリンのモデルとされる7歳年上のアグネス・クロウスキーと知り合い恋に落ちる。だがすぐに破局。失恋の苦痛を長く引きずる。帰国後カナダのトロント・スター紙と契約。シカゴのパーティーで、8歳年上のセントルイス出身の箱入り娘でピアニストの、エリザベス・ハドリー・リチャードソンに一目ぼれ。1921年に結婚する。