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1. 1871(明治4)年創業の昆布の老舗「奥井海生堂」には、蔵囲(くらがこい)昆布という“ヴィンテージ昆布”が多数ある。熟成させた昆布の出汁はまさに海のワイン。
2. 越前仕立て汐雲丹専門店「天たつ」は、旧越前福井藩松平家の御用商である。天たつ3代目が考案した越前うにの製法「塩蔵法」で手作りしている。
3. 春限定の味わいとなる天然ワカメ。坂井市三国町では粉わかめ(もみわかめ)に加工される。
そして、去る3月9日に県内外の著名人らを招き、お披露目のレセプションが、福井市内の老舗料亭「開花亭」で開催された。開花亭新館の設計を手掛けた建築家の隈研吾氏を始め、レストランジャーナリストの犬養裕美子氏、ライティングデザイナーの内原智史氏、インテリアデザイナーの橋本夕紀夫氏ら、各界で活躍する著名人など約60人に“福井の美食"をアピールした。
 この日のレセプションは、「開花亭sou-an」の畑地久満料理長らによる、「祝いと絆」をテーマに“海のワイン"と銘打った10年物の熟成昆布出汁を“食前酒"にスタート。さらに昆布のうまみを生かした越前がにの椀や、若狭ふぐの蒸し物、若狭ぐじの焼き物など11品が振る舞われた。ほかにも、勝山水菜、谷田部ネギ、越前辛味大根、若狭牛、生雲丹に、鯛、昆布といった福井を代表する食材を使い、敦賀昆布の出汁と合わせることで、食材にさらに付加価値を持たせるように工夫された料理が並んだ。
 福井の風土が育てた伝統的な食で各界を代表する食通たちをうならせたのである。
 奥井会長は「京料理と加賀料理に挟まれ、福井の料理は独自性を打ち出せずにいたが、古くより都に多くの食材を運んできた歴史がある。守り続けてきた食文化を世界に発信したい」と、「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録され、その時流にも乗った取り組みとして自信を見せた。

福井ガストロノミー協会
ja-jp.facebook.com/Fukui.Gastronomie
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