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1. ×蒲焼き
 蒲焼き自体が完成されている野田岩の鰻は、余計な味をつけることなく、または山椒で食したい。タレをかけてしまうと鰻の本来の味が消えてしまうからだ。その繊細な味には白ワインがマッチする。余分な脂が落とされ、鰻のふっくらした食感とやさしい味わいが白ワインと絶妙なハーモニーを生む。また、タレをかけたり、味わいがよりリッチで脂が強めの場合は、赤ワインを薦める。

2. ×煮こごり
 本来は、味が濃いものが多い煮こごりだが、野田岩の煮こごりは、食感がかたすぎず、なめらかで、味わいが繊細。フレンチでいうゼリー寄せやフロマージュ・ド・コションのような料理なので、白ワインが引き出すピュア感がマッチする。赤ワインだとタンニンが後をひいてしまう。また、リュリーに加えて、シャンパンやミネラル感が残るものであれば OK。

3. ×肝焼き
 肝が持つ特異な苦味や鉄分の香りが残るので、白ワインを合わせると酸味と合わずに苦くなり、白ワインが持っている華やかなフローラルさが失われてしまう。肝には、ピノ・ノワールや今回紹介した“ツガネ ヴォー・ペイサージュ" のようなシャルドネといった果実感がしっかりしていて、酸がきれいに抜け、ミネラル感があるものが合う。肝の持っている風味をオブラートのようにつつみ、逆に、甘みをおびさせ、柔らかな味わいを引き出してくれる。
4. 「白焼きを塩で食べてこれだけおいしいのは、野田岩さんならでは」と若林さん。その秘訣は素材に加え、焼き方にもあった。素焼きをし、蒸したあとに、香ばしさを加えるために日本酒をかけて、焼くという。白焼き特有の脂っこさがなく、シチリア産のこだわりの塩がより白焼きの旨さを引き立てる。

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